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プロフィール 安斎勇樹の過去・現在・未来 いま time-line:”NOW” 現在はどのような活動を?

東京大学大学院学際情報学府で学習環境デザイン論について学びながら、ワークショップデザインや創造性に焦点を当てた研究をしています。 また、研究だけでなく、大学生や企業向けのワークショップを行ったり、ワークショップの方法論に関する公開研究会を企画したりしています。研究活動と実践活動を往復し連携させながら、学習と創造性について考えていきたいと思っています。 詳細はRESEARCHページPROJECTページをご覧下さい。

これまで time-line:”PAST” そもそも、ワークショップの研究を始めようと思ったきっかけは?

もともと人間の学びの営みに関心がありましたし、現在の教育にも問題意識があって、大学生の頃に教育系のウェブサービスを立ち上げて運営していたんです。これはこれでとても手応えがあって、色々なところで評価もされたのですが、やはりどうしても受験業界や、ビジネスとして教育活動をすること自体に違和感があって。そこで、ビジネスや受験とは全く関係ない形でとにかく面白い学びの場を作りたいと思い、2008年に中学生と大学生向けのワークショッププロジェクトを開始しました。そこで、いくつもの予想を超える学びの風景に出会ったんです。

何が起きたのか?

たとえば、学校教育に適応できずに引きこもりになっていた子がワークショップに参加してくれたことがありました。最初は大丈夫かな?と不安だったのですが、参加しているうちに次第に目を輝かせ始め、周囲の参加者とも協調しながら活動に取り組んでくれ、保護者の方もその変化には大変驚いていました。さらに驚いたのは、そうした参加者の内面的な変化と同時に、毎回のワークショップで企画者が予想もしなかったような面白くて魅力的な作品やアイデアが次々に生まれていて、創造のための場としてもワークショップの可能性を感じました。そうしてワークショップ実践を続けているうちに、純粋に、そこで起きているプロセスやメカニズムについて知りたいと思ってしまったんです。ワークショップの持っている可能性について腰を据えて探求するためにも、研究の道に進むことを決意しました。

真実の教育はすべて、経験を通して生じる。 ジョン・デューイ 人は自分にとって意味のあるものをつくるときに最も学ぶことが出来る。 シーモア・パパート
ワークショップというスタイルにこだわる理由は?

ワークショップは色々なことが「許されている」場だと思うんですね。学ぶこと、楽しむこと、つながること、はみだすこと、変わること、捨てること、頑張らないこと、失敗すること。そういう色々なことが許容されているからこそ、いつもとは違ったものの見方をみつけたり、新しいものを生み出せたりするんだと思うんです。参加者にとって意味のある学びや創造が生み出される「余白」みたいなものが用意されていること、それがワークショップの一つの魅力だと思っています。

そういう意味で、ワークショップが普段過ごしている学校や職場の外で行うインフォーマルな活動であることも重要だと思っています。普段の役割を背負ったまま、普段の仲間と一緒のままでは出来ないこともあります。いつもいる場所の一歩外に出て、役割を脱ぎ捨てて、普段付き合わない人たちと関わりながら学ぶところにも、ワークショップの本質的な意味があるんじゃないでしょうか。 これから time-line:”FUTURE”
安斎 勇樹 Yuki Anzai

1985年生まれ。東京都出身。東京大学大学院情報学環特任助教。NPO法人EduceTechnologies理事。東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程満期退学。博士(学際情報学)。産学連携プロジェクトに取り組みながら、ワークショップの実践と評価の方法について研究している。主な著書に『ワークショップデザイン論-創ることで学ぶ』(共著・慶応義塾大学出版会)、『協創の場のデザイン-ワークショップで企業と地域が変わる』(藝術学舎)がある。

目指す研究者像は?軸足は研究活動に置きながらも、もう片足では常に楽しくて意味のある実践活動を展開しているような、そんな働き方を思い描いています。研究活動と実践活動を相互に連携させながら、社会にインパクトのある仕事をしていきたいですね。 今後の研究の目標や方針について

創造と学習をきちんとつなぐ研究がしたいと思っています。何か新しいものを創りだす活動の裏では古い見え方から新しい見え方へのシフトが起きているはずですし、新しいものを創りだした経験は次への自信にもつながります。逆に、新しいものを生み出すためには学び続けることが不可欠ですよね。この切っても切り離せない関係にある2つのキーワードを、ワークショップの文脈の中できちんと接続させながら研究していきたいと考えています。

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