ワークショップにおける「空白」のデザイン
ワークショップをやっていると、ワークショップが終わって、閉会した途端に参加者同士の交流が盛り上がるということがあります。場のスイッチがオンからオフに切り替わったように、ワークショップ中とはまた別のリラックスした雰囲気で雑談が盛り上がるのです。そして、その時の会話がなぜかとても面白かったりする。
ワークショップは、参加者の主体性や能動性を尊重してデザインされている場合が多いと思いますが、あくまでそれらは「デザインされたもの」であり、プログラムやファシリテーションの制約の中で活かされた、”受動的な能動性”ともいえます。そうした場の流れに乗っていたオンのモードから降り、デザインから解放されたはずみで、主体的で自然な関わり合いが促されるのかもしれません。
閉会後に発生する雑談の面白さはそれ自体興味深いですが、こうした「解放的な空白の時間」をワークショップのプログラムの内部にあらかじめ組み込んでおくことも有効ではないかと考え、実践の度に色々と試行錯誤しています。
たとえば、一般的にはワークショップ終了後にある懇親会のような時間を、ワークショップの前半や中盤に思い切って配置することはひとつ有効な方法だと感じます。先日行ったインクルーシブデザインワークショップでも、グルーピングの直後に1時間のランチの時間を設けましたが、とても有意義なアイスブレイク&チームビルディングの時間になりました。あるいは、お菓子やドリンクを用意しておいて、ワークショップの中盤でカフェタイムを設定することも有効でしょう。
また、そこまで大掛かりな仕掛けをする時間的余裕がない場合であっても、ワークとワークの合間のつなぎの時間のゆとりがなくならないように気をつけています。限られた時間で効率的にプログラムを回そうとすると、つい息継ぎの間もないような忙しない展開になりがちです。そこで、たとえばあえて参加者のワークが終わっているのに切り上げずに放っておいたり、機材チェックや次のワークの準備をしながら場を放置したりなど、参加者に「何も課されていない空白の時間」を少しつくってみると、ゆるやかな雑談が自然と生まれるはずです。こうした時間は一見非効率的な時間に見えますが、デザインの”圧”から解放された隙間からゆとりや勢いが生まれ、その後のワークに良い影響が出てくる感覚があります。
デザインされていない空白の時間をどのようにデザインするか…その方法論はまだまだ工夫の余地がありそうです。いつか研究の対象に出来ればと思います。
参考:ワークショップ関連の記事
・Ba Design Lab「アイデアを生み出すワークショップデザイン」実践報告











