ゲームvsワークショップ!?:”楽しい学び”を生み出すテクノロジーを探る 実践報告

: Posted by Yuki Anzai at March 27, 2016

近年、主体的な学習を促進する方法として「ゲームデザイン」や「ワークショップデザイン」が注目されています。いずれも「遊び」「楽しさ」といったキーワードを共有しながらも、根底には異なる思想と方法を持ったアプローチであることも確かです。そこで、ゲームデザインを活用した歴史学習の方法を専門とする池尻良平先生(東京大学)をお招きし、ゲームデザインとワークショップデザインの共通点と相違点と探るための研究会を実施しました。前半では、池尻先生からゲームデザインの事例や方法論について話題提供していただきました。

gvsws1

 

後半では、参加者の皆さんの質問をきっかけにしながらも、「ゲームとワークショップとはどちらが優れているのか?」という挑戦的な問いのもとで、池尻先生vs安斎で、互いにツッコミをいれながら特徴・利点・弱点をあぶりだすディスカッションを展開しました。

 

gvsws2

 

その議論の一部を羅列すると…、ゲームは定量的に評価可能な行動目標に落とし込めるタイプの学習を得意とするが、ワークショップは行動で記述できないタイプの学習(特に創発を志向する活動)を範疇としており、そもそもファシリテーターにとっても問題解決のための実践であること。ワークショップはその学習目標の”ゆるさ”ゆえに、評価や設計における”デバック”が困難であること。ゲームは勝敗や得点といった明確な評価軸に基づくフィードバックによって、学習者のフロー状態をコントロール可能であること。裏を返せば、ゲームには明確な「負け」や「下手」が存在しがちだが(※最近では協力型のゲームも増えている)、ワークショップはふるまいに優劣をつけず、軸の多様性を奨励する傾向にあること。カイヨワの遊びの類型においても、ゲームは「アゴン(競争)」「アレア(運)」の組み合わせを中心とするが、ワークショップは空想表現や見立て遊びのような「ミミクリ(模擬)」を原型とする場合が多いということ。ゲームにおいては参加者が”魔法円”アフィニティスペースを構成することが特徴的だが、ワークショップでは参加者が実践者へと移行する正統的周辺参加のプロセスが垣間見える点が特徴的であるということ。ゲームデザインは実践の敷居は高いぶん手離れがよく、ワークショップはどこまでも属人的な実践である(”カリスマ”問題)ということ。

 

などなど…。以上は一部ですが、それぞれのツボの違いや実践における使いどころが明確になったのではないかと思います。僕にとってもたくさんの発見があった、白熱した研究会となりました。整理された詳細は、またあらためてまとめたいと思います。4月9日(土)の公開講座「ワークショップデザイン入門-遊びのテクノロジーを活かした場作り」では、今回のゲームvsワークショップの研究会の議論にも少し触れながら、「遊び論」の観点からワークショップのエッセンスとデザイン論について深めていければと考えています。

 

▽参加者募集中の研究会・ワークショップ

2016年4月9日(土)「ワークショップデザイン入門-遊びのテクノロジーを活かした場作り」

http://peatix.com/event/156373/view

 

▽ワークショップを科学する(Facebookページ)

ワークショップをはじめとする「創造的な学びの場作り」の方法について探求するためのページです。研究の進捗と成果、関連するエッセイ、公開研究会などの情報についてお知らせしています。

https://www.facebook.com/BaDesignLab


ページトップへ